昨日は花芽が着きすぎたマンゴーの写真を載せましたが、今日はマンゴスチンです。普段の花芽はこんな賑わい方ではないのですよ。通常マンゴスチンは新梢の先端に1個の花芽を着けますが、今年は1カ所から3個とか4個の蕾が出ている上に、先端という先端にびっしり花芽が着いています。着きすぎ。ここまで来ると私には、「この辺にしとけば?」という忠告を聞かずに厚化粧を重ねるおばちゃんにしか見えない(笑)

前回チャンタブリに来てから5ヶ月くらいのブランクがあったというのに、この町の人は相変わらず私のことをよく覚えていてくれて、あちらこちらで声をかけてくれます。郵便局に配達物を探しに行けば「あなた宛の荷物、来てるわよ!」と、こっちが名乗らないうちから言ってくれるし、食堂に行けば「日本は今寒いんだってねぇ」と世間話をしてくれます。まるで親戚のおっちゃんやおばちゃん、それか友達のお母さんみたいです(笑)コーヒースタンドに行けば、新人らしき店員さんが「今日も来たのね」的な笑顔を向けてくれるし。文化も習慣も違う外国の土地ではありますが、なぜだか地元に帰ったような安心感があります。こんな風に受け入れてくれる人がいるから、現地調査はやっていけるのだと思います。

夕食は友人のピックちゃんとオンさんの3人で、美味しいシーフードを食べに行きました。本当に色々な話題でおしゃべりしっぱなしの時間でした。私ももっとタイ語が喋れたら気の利いた返しができるのに!ともどかしいところもありましたが、2人と色々な話ができて嬉しい夜でもありました。

すごーく久しぶりに、ブログ書きます。最近FacebookやLINEの遊び方を知って、そっちを利用していたのですが、やっぱりブログで書いておきたいこともあるな、と思って久々にアップしてます。

2月3日からタイに来ています。タイは今年の乾季、ものすごく気温が下がったそうで、果樹の花芽分化はすこぶる調子が良く、マンゴーにはバサバサと花芽が着いています。ここはチャンタブリというのに、北部名産のライチにまで花芽が着いています。ライチなんて、チャンタブリでは観葉植物だと思っていたのに。この2月、日本列島は記録的な大雪だったそうですが、タイでも記録的な低温が続いたようですよ。

昨日カウンターパートのオンさんとしていた雑談で、お世話になっている職員が来年定年退職されることを知りました。そうか、そんな歳だったんだなぁ、なんて考えていたら、「去年退職した○○さんは早期退職だったし、△△さんは50歳になったら退職するって言う話よ」とオンさん。そういえば、知り合いの××さんも定年する前に辞めて果樹園やるって言ってたような。しまいにはオンさんまでもが冗談交じりに「私だって今辞めても良いって思ってるくらいよ(笑)。実家に帰って、ゴム園を手伝うのも良いわね。」と。オンさんは私と同年代なんだから、まだそんなこと言わないでー!と、止めておきました(笑)
それにしてもタイって、早期退職する人がけっこう多いようです。日本では定年した後も再雇用などで仕事を続ける人が多いのにね。それぞれの事情があるんでしょうけれども。けど、何となくですが、若い人が活躍してる国は将来が明るい気がします。この研究所では30歳代の層が厚いし、この国の首相も若いです(今は大変なことになっていますが)。日本ももっと頑張らなくちゃいけませんね。私か(笑)

バンコクに来ました。チャンタブリでの濃厚な日々はあっという間に終わり、明後日から再びラオスです。
昨日、久しぶりに木登りをしました。相手は高さ10m級のドリアンの成木です。普段あまり運動をしていない私には、けっこう大変な作業でした。登るだけでも疲れるのに、現地の人はこんな高さでさらに果実の玉吊りや収穫なんかもするんですよね。いやぁ、ホントすごいです。
さてこの木登り、最初は枝伝いに登っていたのですが、作業を手伝ってくれていたスタッフがどこからかハシゴを持ってきてくれて、大いに助かりました。竹製のはしごなんですが、これがかなり優れものだと言うことも分りました。なんといっても構造が二次元なので、枝と枝の隙間にも差し込むようにして立てられるんですよね。三次元構造の三脚には出来ない技です。タイに来て最初の頃は、「現地の人はよく竹ハシゴなんて危ない物を使ってられるなぁ、三脚の方がよっぽど安全なのに」と思っていたのですが、いやいやいやいや、竹ハシゴにしか出来ない仕事があるんです。
今日の写真はそんなドリアンとハシゴから。はしごの長さは6mです。

チャンタブリ園芸試験場では今、果実調査のピークを迎えています。ドリアンにランブータンマンゴスチン。ドリアンの調査室は空気が違う。何メートルも手前から、「食べ頃のドリアンがそこにある!」という匂いがします。
今日の夕方ドリアンの調査室を覗いたら、ちょうど果実を解体しているところでした。今は試験場で保存しているローカル品種の品質調査をしているようです。品種名は何かな〜と見てみると・・・「サーオチョムヘット」。訳すと、「キノコを見ている婦人」。なんじゃそりゃ。仮にもドリアンの名前だよ?そのドリアンはいったいどんな背景があってそんな呼ばれ方をしたのやら・・・想像したいけど、私の想像力の範囲を超えています・・・。けどこれが、超美味しかったんですよ〜(*^_^*) 他にも「ハールークマイトゥンポーワ」というのもあるそうな。訳すと、「5個の果実が旦那に届かない」。奥さんが5個の果実をもらってきたが、美味しいので一人で全部食べてしまい、旦那さんの分がなくなっちゃった、という意味。なんて品種名だ。
ローカル品種の名前は、面白いモノが多いです。きっとその樹を他の樹と区別するために適当に呼ばれていた愛称みたいなのが、そのまま品種名になっちゃったんだろうな。
今日の写真は、ドリアン果実の写真撮影の裏側。果実を固定するのに剣山を使っています。ナイス!

ラオスは今、ものすごい勢いで発展しているように見えます。巨大な施設が次々に建設され、大きな道路も増えています。けれども私のカウンターパートは、「教育の速さを超えた発展には意味が無い」と言います。
確かにそうかもしれません。ラオスは、国民の想像も付かないような大きな力によって、発展させられているのかもしれません。大きな道が出来れば、今まで作っても売れなかった野菜や果物を町に売りに行くことが可能になり、町に出れば外国から輸入した高品質の果物を目にし、隣の苗木屋に行けば、それと同じ果実を成らせる苗木が手に入る。しかしその苗木は、ラオスで生まれた品種でもなければ、ラオス人の手で殖やされた苗木でもない。人々は、苗木の作り方を知らなくても、果樹園を開くことが出来る。市場に行けば、果実が売れる・・・。そんな動きを、きっと私たち研究者も、止めることは出来ないんだろうなぁと思います。もっとお金が欲しいと思う気持ちを止めさせることも、たぶん出来ない。私たちにやれることのひとつは、きっと、急な突風が吹いても耐えられるような風よけを作り、そして突風に吹きに飛ばされたとしても、そこに存在した証を、少しでも残しておくことなんじゃないかなぁ。そして、いつかその場所に平穏な風が吹くようになったとき、静かにひっそりと芽を出す種を、蒔いておくことなのかなぁと思います。
今日職場のタイ人から、「ラオスのチャンパサック(南部の町)ではドリアンが作られているんだってね」と言われて、「そう。でも実生で増えているから、品質はバラバラだよ。でもそんなローカルなドリアンを食べたいなら、なるべく早く行った方が良い。今すぐにでも。」と答えたときに、思ったことです。
今日の写真は、チャンタブリでちょうど今開かれているドリアン祭りから。「ローカル品種の試食もあるよ〜」と友達から教えてもらったのに、見つけられなかった〜。

ラオスでは市場でも街の八百屋でもアボカドはあまり見かけないのですが、実はひそかに栽培されています。昨日植樹祭のイベント(6月1日はラオスでは「植樹の日」なんです)を見に行ったら、そこでアボカド売りに出会いました(写真)。
南部のパクセーという町で栽培されたものだそうです。20,000Kip(約160円)/kgで売られていました。形も色もばらばらです。ラオスでは、アボカドの接ぎ木は難しいとされているようで、接ぎ木苗が手に入りません。ラオスのアボカドは全部実生で増えてるのだそうです。だから国産果実は、色も形もバラバラなんですね。
でも、色も形もばらばらなのって、個性的で良いなぁと思います。確かに味も形も均一であれば、買って失敗がないという点で良いのですが、なんか個性がないですよね。つまらないというか。でも、私がラオスで今やろうとしている仕事は、こういう個性を奪うことなのかもしれません。「栽培技術の向上」、というと聞こえが良いですが、「食味や見た目の悪い果実では売れませんよ、接ぎ木して良い苗を作りましょうね」・・・という活動を続けていると、いつかこういう個性的な実生樹が無くなってしまうような気がします。
明日からタイです。タイ久しぶりだな〜

今日はカウンターパート研究員と果樹圃場の場長とで打合せをしました。再来週から小さな実験を始めるのですが、どんな手順で準備をするか具体的に話していたときのこと。どうしても「月曜〜木曜」の4日間しか作業を入れたがらない彼ら。「金曜日はいったい何をする日なんですか?」と尋ねたら、「毎週金曜日は職員全員で、所内の掃除や整備などをする日です」。ほうほう。「そして、昼の12時から皆でスポーツをします」。・・・ん?「そして2時か3時頃には帰宅します」。えぇぇぇ!?そうなの!?ずっとそうだったの!?それじゃほとんど週休3日・・・。そうだったんだ・・・。しかも普段から昼休みは11時半から13時半頃までたっぷり休んでるような。まぁ、日中はそれくらい休憩取らないと体力が持たないんでしょうけど。そんな中、休日を利用してノンカイ(タイ側の国境の町)まで実験材料の買い付けに行ったり、午前の作業はきっちり12時まで続ける私につきあってくれるカウンターパートは、ホント真面目なんだなぁと思います。
今日の写真は、マンゴーの台木。寄せ接ぎ用に調整されています。今ちょうど、研修生のカリキュラムの一環で接ぎ木実習をしているのだそうですが、今日ふと見たら、試験樹の枝が接ぎ木されてました。おいおいおい。